クマ
ある雨の日の朝、クマが山から降りてくると
そこにはカエルが死んでいました…
少し歩くと
そこにはカラスが死んでいました…
また歩くと
そこにはネコが死んでいました…
時はさかのぼり、ある晴れた日の朝。
キレイな庭で人間たちがバーベキューをしています。
そこへ1匹のカエルが庭にまよい込んできました。
なんだかカエルの様子がおかしいです。
「最近雨が降らなくて喉がカラカラだ…もう死にそうだよ」
そんな時、今にも倒れそうなカエルの目に飛び込んできたのは、人間の子供たちが遊んでいる大きなプールです。
カエルはケロケロ大喜び
「うわー、大きな水たまりだ!やっと水浴びができる!何日ぶりだろう」
そういうと、カエルはうれしそうにぴょんぴょんぴょんぴょんプールに近づきます。
と、その時です。
カエルは突然人間の子供たちに捕まえられ、虫かごにポイっと入れられてしまいました!
「なんだここは!蒸し暑くて変なにおいがする…」
「誰かここから出してくれ。。。」
数時間後
今度はカラスが飛んできました。
巣で待っている家族のためにエサを探しています。
「おや?あんなところにごちそうがある!」
人間の作った料理の残り物がカラスにとってはおいしいおいしい食事です。
「家で待っている子供達も喜ぶぞ!」
カラスはニコニコごちそうに向かって飛んでいきます。
と、そのときです。
クモの巣のように張られた鳥避けの網にからまり身動きがとれなくなってしまいました。
「うわー!しまった!」「バサバサバサバサ!」
なんとか逃れようとカラスは必死に暴れますが、暴れるたびに網はカラスをキツく締め付けます。
「く、苦しい…」「バサバサバサバサ…」
夕日が空を真っ赤に染める頃
人間たちはバーベキューの片付けを始めています。
すると家で飼われていたネコは、ドアが開いていることに気がつきました。
ネコは外の世界を知りません。
興味深々なネコが、おそるおそる空いているドアへ近づくと…
「待ちな!おチビちゃん!」
一緒に住んでいる大きなイヌに呼び止められます。
イヌはこう言います
「外はとっても危険な世界だ…」
「自分勝手な人間達は、人間だけが住みやすい世界を作り、動物の世界をすべて奪ってしまったんだ。。」
「もうこの世界で動物達は自由に生きていくことはできない。…安心して暮らせる場所もなければ、自由に遊べる場所さえありゃしない…」
ネコは言います。
「でも…外の世界をもっと知りたいよ!あの広い庭で走り回りたい!あの大きな木に登って世界中を見渡したい!」
そう言うと勢いよくヒュンッとドアから外へと飛び出します。
すると…
「キキーーーーーーーーッ!ドンッ!!!」
…その夜イヌが泣いていると、空も泣いているのか、大粒の雨がザーザーザーザーふりはじめました。
朝になっても雨は激しく降り続けます。
そんなある雨の日の朝。
お腹を空かせたクマが山から降りてきて言いました。
「おや?あんなにいっぱい野菜がある」。
そこは人間たちの食べる野菜がたくさんある畑です。
熊は子供たちのために野菜を持って帰ろうとニコニコ。
そんな時、
人間達が銃をもって集まってきました。
おしまい